しめっぽいレポート

ぴぴぴというひとがおわらいさんをみている

「ナイツ独演会 味のない氷だった」 ライブ・ビューイング@新宿バルト9

ナイツ独演会千秋楽を観に、新宿バルト9へ行ってきました!
というのも、バルト9でのライブビューイングでは前説でモグライダーが登場するとのことで、ライビュの値段でモグさんまで見れてめっっっっちゃお得じゃない!!!?ということでこちらで観ることに。

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写真を撮ってSNSで拡散してね!とのことだったのでばしばしばーしー撮らせていただきました。写真に映るため、ともしげさんがお客さんに近づいていくと、「触らないで!この人、ここ出てくる直前まで四足歩行だったんだから!触った人は絶対手洗って!」と注意していて大爆笑が起こっていました。

前説ライブはナイツ独演会の開演15分前よりスタートだったので、場内にはまだ入場中のお客さんも大勢いる中でモグライダーのお二人が登場。
「どうぞゆっくりお席についてくださいね〜」
と芝さんがざわざわしている客席のざわざわを肯定するような口調で言っていて愕然としたのですが、前説はきっと誘導という役割も兼ねているものだから客席がざわざわしていることは彼らにとって当たりまえという状況に驚いたというか、いままで、「みんなモグライダーのことがある程度好き」な現場にばかり行っていたので、「モグライダーを知らない人の方が圧倒的に多数で、おまけに入場中でもあるので、あまりみんなモグライダーの話を聞いていない」という状況が新鮮すぎてとにかくみぞみぞしっぱなしでした。
売れる /売れないみたいなことについて、売れてるってなにで、だから売れるためにはなにが必要で、といったことはわたしには一切わからないし、わたしが見ておもしろいって思ってるんだからそれがすべてで、まあ、できればみんなにもこのおもしろさを知ってほしいなあ、あと、経済的な理由でお笑いやめなくていい程度にはみんなお金もらっててほしいなあ、くらいのあまり生粋でもないお笑いファンなので、ほんとうに「おもしろければいいじゃん」としか思ってなかったのですが、おもしろい/おもしろくない以前に「話を聞いてもらえるかどうか」ということがあって、普段「売れたいなあ」って口にしているような芸人さんたちはそのレベルのところで戦っているんだ……!強いな……!と思いました。(感想がばか)でもまじでリテラシー以前に受容するつもりがあるかどうかってゆう受け手の態度というものは存在していて、たしかに自分自身についても「この映画あんまりおもしろいと思わなかったけど、Twitterで評判よかったからもう一回観てみるか」と再度触れたあとで、「たしかに周囲の評判通り、よかったかもしれない」と再評価しなおすようなこともあって、そういう積極的にいいところを見つけていこう!みたいな鑑賞態度ってあらかじめ評価を受けているもの、有名で認知されているものにしか生じないし、自戒を込めつつ、なんかいろいろむずかしいな〜〜〜〜〜と考えたりしました。

とか、わたしのエモい感想はあれなんですけど、モグライダーは登場するとまずは、芝さんが「モグライダーって知ってる人〜?」と会場に問いかけ、一番前で手を挙げた方に、「ほんと?なんで知ってるんですか?あ、アメトーク見てくださったんですね、ありがとうございます!」と話しかけていました。上記のような「あまり話を聞いてもらえないのが当然」のだだっ広い空間の中で、1対1のコミュニケーションを取ることほど確実なこともないというか、営業のテクニックのようなものがあるのだろうなあ、すごいな〜。
芝「モグライダーといって、今はマセキ芸能社という事務所でメンバー2人でやらせてもらっているんですけども。メンバーは随時募集中ですので。笑いの絶えない職場ですよ!誰にでもできる、簡単なお仕事を用意しています」
笑いの絶えない職場のようで安心しました。ともしげさんがいつも笑顔なのならよかった。

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こういう映画館のスクリーン側に立つことってないから新鮮だよね、といった話をしていると、ともしげさんが不意に「ポップコーン、食べたくなるねえ」。
芝「なにいきなり」
ともしげ「だって、いい匂いするから」
芝「食べたいなら、もらいなよ。ほら」
とおもむろに、最前列のお客さんに近づいていく芝さん。「あ、ポテト。ちょうだい」とポテトをお客さんから二本もらい、スクリーンの前に戻ってきてもぐもぐ。

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さらに、ポテトをくれたお客さん(小学生くらいの男の子)を壇上にあげて、「ポテトありがとうね。どこから来たの?」と質問する芝さん。
少年「近くから来ました」
芝「あ、この辺の子なんだ。シティ派だね。ナイツさんのファン?」
少年「はい」
芝「モグライダーは知ってる?」
少年「あ、えっと、」
芝「はい、戻っていいよ〜」
強引に少年を客席に押し返してしまいました。
そのあとで、「ポテト2本ももらってごめんね」と謝っていたのが優しい。
さらに、ともしげさんにも「2本ももらったのに、1本あげなくてごめんね」と謝っていました。
ともしげ「ほんとだよ!俺もポテト食べたかった!俺の方が食べそうな見た目してるのに」
芝「あんま食べなそうな俺が」
それから、軽くネタをやったのですが(ともしげさんがアルファベットを順番に言っていく)ネタ中もずーっと芝さんはもぐもぐしながらしゃべっていました。ポテト2本を咀嚼するのが遅いね????????

あっという間に前説は終わり、「もう時間押してるんだよ!ありがとうございました!!!」とモグライダーのお二人は嵐のように去っていきました。

帰りに、芝さんにポテトあげた少年とお母様らしき方がお話しているところをたまたま見かけたのですが、「すごいねえ!舞台、上がっちゃったねえ!」ととても嬉しそうにされていて、なんだかこちらもしあわせな気持ちになりました。売れてる、売れてないについてはわからないけれど、人前に立っておもしろいことをしてくれる人たちが、こちらまで降りてきてくれるってやっぱり特別で嬉しいことだよな〜〜〜〜〜〜!

 

ナイツ独演会についてはDVDも発売されると思いますし、ネタの講評のようなものがめちゃめちゃ苦手でできっこないのできっとネタバレにならない程度の雑感をさらっと書きたいのですが、でも、なんてゆうか、これしか言うことないっちゃないというか、めちゃくちゃおもしろかったです!!!!!!!!!!
ふだんテレビでは絶対に見られないような、土屋さんのツッコミにメスを入れるネタ(あのネタの塙さん、やーつの人の表情がそっくりですごすぎた)とか、「過去の漫才のネタ」をネタにしたメタ漫才とか、小道具とか、単独ならではといったようなネタがたくさん見られて特別感がすごかった。
そしてなんといっても「やほー」の扱い方が素敵というか、芸人さんが売れたネタをお約束として待ち焦がれられる反面、「ああ、やほーの人でしょ」と消費されてしまうような中、自分たちで「ああ、やほーでしょ」とやほーを乗り越えてしまっているようなあの「やほー」のちょい雑めな扱い方(でも、ヒットしたネタだからもちろん大切には思っていそうな)がすごくたまらんかったです。

2017年の時事・芸能も総括できましたし、これは毎年見たくなるな……!とすでに来年の独演会に期待しているのでした。